シミュレーションアートの話。


水玉模様のフェルメール 193.9x130.3 油彩 1994

 シミュレーションアート。1980年代に流行った現代アートの潮流のひとつです。
 シェリー・レヴィン、シンディー・シャーマン、ジェフ・クーンズ、色んな作家がこのアートムーブメントから世に知られて行きました。


レンブラントと靴 116x89 
油彩、テンペラ、アクリル、オブジェ 1989


 この頃登場したアートムーブメントは、ニューペインティングもシミュレーションアートも、20世紀的近代芸術の思想に終わりを告げる鐘の音でした。
 けれども、その運動が意味した重要な問いはある種の流行として消費され、数多のアートムーブメントの波の中に溶解して行ってしまったように思います。



水玉模様の名犬ラッシー 97x130.5 
油彩、カンバス 1994 


 優れた芸術はほんの少しだけ未来を見せます。今ある価値観とその矛盾に問いかけるものを内包しています。
 今一度、80年代の作家達が問いかけた声に耳を傾けて欲しいと思い、ニコニコ動画の放送で自分自身にとっても出発点だったこのアートムーブメントの話をしました。

 音声と画像が悪くて申し訳ないですが、是非ご視聴下さい。


シミュレーションアート 1980年代に現れたポストモダンの潮流。



 彼等が鳴らした鐘の音は、今もずっと鳴り続けているとぼくは思っています。