インスタレーション エドワード・キーンホルツ
今日、リンクが切れていたインスタレーションのファイルをアップしました。
テストでネット上に流して二週間余り、気になっていたものの、事情があって手を入れられずにいたものです。これでようやく僕のウェブが一通り完成した事になります。
インスタレーションという今ではありきたりの表現方法と初めての出会いは、パリのポンピドーセンターにある、エドワード キーンホルツという作家の仕事でした。
美術館の一角を間仕切りした部屋の中央に、悪趣味な柄のカバーがかかったベッド。周囲の壁は、剥がれかけ色あせた焦げ茶色の壁紙でおおわれ、はだけたカバーから突き出た巨大なキノコのような二つの物体。サイドテーブルの上のピンク色のラジオからは、ノイジーで時代遅れのポップスがけだるく流れ、笠の破れたナイトスタンドの放つオレンジ色の光が、空虚で、猥雑で、懐かしくも物悲しい部屋を浮かび上がらせていました。
キーンホルツの作品は今ではインスタレーションとは分類されないようです。しかしそこには、インスタレーションという表現の根幹が全てありました。音も光も、臭いや空気中のホコリさえもが、作家のイデーを実現するために何のためらいもなく総動員されていました。
その後数々のインスタレーションを見てきましたが、これほど完璧に空間を支配している作品に出会えたことはありません。
何時の日にかあんな仕事がしたいと思いながら重ねた月日の足跡です。