あーとふるないと#8アーカイブアップ パウル・クレー 未完の絵画

竹橋近代美術館で行なわれている展覧会にあわせて、8回目の放送のテーマはクレーでした。

童心の画家、
リリカルで詩的な世界、
・・・そして音楽的な画面。
そんな一般的なクレーの魅力から話を始めました。

つづいて、この展覧会のテーマ
「おわらないアトリエ」の概略を追って解説。

そこから話の展開が変わります。

同展覧会は、
「クレー芸術のあり方についての学術的知見を展覧会というかたちで一般の人々に見せる試み」
と、その序に書かれています。

「なんという啓蒙」というコメントが放送中にありました。
たしかに、、。

しかし、それは果たして、観客に関係があるのだろうか?
作品と観客のあいだに、それ以外の他者の見解が入る余地があるのだろうか?
放送ではそんな根本的な問題に言及して行きます。

「おわらないアトリエ展」では、批評家やキューレターの言葉が、クレー作品と観客の前に立ち塞がっています。

しかし、極論すれば、クレーが何を考えたか、どのように描いたかですら、、
観客とは関係がないはずです。

出来上がった作品と観客のあいだに、なにものも立ち塞がる権利はありません。

美術は言葉ではありません。
言語で表現できないから、アーティストは美術をその表現手段として選ぶのでしょう。
しかし、その作品に結局多くの言葉と解説がつきまといます。
何故なのだろう、、。

問いは、この展覧会を越えて、
近代以降の美術のあり方の問題になって行きます、、。

またしてもタイムオーバーの放送でした。

アーカイブをアップしましたので、ぜひご覧下さい。