矢野ミチル

 過日、矢野ミチル君のショウに行きました。「二つの心臓」と題された、村上大樹と矢野ミチルの共作でした。

 矢野君は、僕がアートポイントと言う画廊で個展をしていた頃に知り合いました。若いアーティストとの付き合いがほとんどない僕には、彼は数少ない珍しい知己です。

 「二つの心臓」は、宇宙から落ちて来た奇妙な新エネルギーを巡る二国間の紛争を描いた架空の物語で、事件に関わるそれぞれ別の人物のドラマを、村上大樹は漫画で、矢野ミチルはイラストで追って行くという趣向でした。

 他に、キスミワコ、中村好伸らのコンサートもあり、なかなか盛りだくさんなイベント
で、それぞれは面白かったのですが、美術作家の僕としては、展示の主題と共作の表現方法にインパクトがあっただけに、ショウ全体も同じ主題で統一してあれば、より良かったかと少し残念でした。矢野君の短いパフォーマンスが綺麗でした。

 興味のある方はリンク先に彼のサイトとブログがあるので、ぜひご覧になって下さい。
 

 今年ももうすぐ終わります。待っている時間より、過ぎて行った時間のほうが多い年齢になると、日めくり一枚めくるだけの儀礼に、かすかな戸惑いと、恐れを感じるようになります。

 ともあれ、この一年支えて下さったすべての方と、このサイトを覗いて下さるみなさんに感謝をこめて 「良いお年を」。