雑感

揺れる想いと、prayforjapan

地震の当日、僕は家にいて、棚から本を取ろうとしていました。 最初は小さな横揺れで、だんだん大きくなり、かなり長い間揺れ続けたと思います。鉄筋コンクリートとはいえ、スゴい古築のマンション。はなはだ心もとないのですが、なんとか持ちこたえました。…

「存在の耐えられない軽さ」

「存在の耐えられない軽さ」の著者、ミラン・クンデラは、「神聖にして、犯すべからざるもののある社会は、芸術の生きる社会ではない」と語っています。 チェコに生まれ、ソビエトの軍事介入に抵抗し、プラハの春を舞台にした小説を書いた彼の言葉ですから、…

Manifest Destiny「明確な神意」を見る想い

今、中東では、内乱状態になっている国もあるようです。 中東と言っても、各国それぞれの歴史と事情がありますから、ひとくくりには出来ないのですが、それぞれの国の事情に精通したコメンテーターがいない日本では、あまり、きちっとした解説がなされません…

7ヶ月ぶりの日記

実に7ヶ月も、日記を更新していませんでした。 その間、画業のほうもおろそかにしていて、1点の作品も作っていません。 去年、この日記で御知らせした「いのちを見つめる/美術とリプロダクション」という展覧会も、早々と離脱し、主催の高草木さんに、とても…

ホモアクトレス 

前回の日記で、演じるということを書いていて、思い出したことがあります。 我が家に猫がいました。 まだ目も明かない捨て猫を二匹、原美術館の庭で拾ってしまって、これも縁かと思い、育てました。 へその緒もついたままの新生児だった子猫たちは、危うい命…

女性と演技

近ごろ諸用があって 「夜想会」という劇団の若者たちと出会いました。まっすぐで、温かい人たちです。 この劇団は、演出家の野伏翔さんが主宰しておられ、横田めぐみさんの拉致問題をあつかった「めぐみへの誓い」などを公演し、その際には横田さん、ご夫妻…

消え行くものと残るもの

身辺に色々あって多忙を極めていたので、ずっと日記が書けないままでしたが、ようやく一息つき、久しぶりの再開です。 今年の九月の「いのちを見つめる」展の打ち合わせの時、同席した島村美紀さんから、写真のラボを紹介して欲しいと頼まれました。彼女も写…

明日のない日

先週日記を書いて四日後に、母が他界しました。姉夫婦が経営する小田原の病院で未明に息をひきとったとの知らせが入りました。 白い経帷子を着て、手甲(てっこう)脚絆(きゃはん)に草鞋(わらじ)を履いて、六文銭を手に旅立ちました。母の実家の宗旨が浄…

話芸 桂米朝と高田後胤官主

寒さのせいか、友人に近親者の不幸が続きました。そんな年代になったという事でもあるのでしょう。 生前父は、薬師寺の高田後胤官主と懇意にしていましたので、父が他界した時、官主に大層お世話になりました。薬師寺は南都六宗の一つ法相宗で、本来法事はさ…

パリの教会

先週末、義母の訃報の知らせに、田園調布の教会に行きました。体の芯が凍る寒風の中、東急東横線多摩川駅から教会に向かう人気の無い坂道は、パリの冬のようで、微熱の体には応えたけれど、なにやら妙に懐かしい風景でした。 幾度かの引っ越しの末に、貧しい…

憂鬱な季節

憂鬱な季節が近づいています。僕の春は、梅の香りでもモクレンの白い花でもなく、寝起きのけだるさと、喉の奥が張り付いたような痛みとともにやって来ます。 花粉症なる優雅な名前のアレルギーを患ってかれこれ十年になるでしょうか。毎朝起きると大量のタン…

アメリカ

パンパン! 兄と二人ソリに乗って遊んでいると、銃声が聞こえました。歩道の両側には除雪された雪が子供の腰のあたりまで積もり、真っ白な駐車車両が並んだ車道。抜けるように青く澄み渡った空。雪景色はきらきらとまぶしく、あたりに人影はありませんでした…

正月

あけましておめでとうございます。 年末年始と雑用に追われて、気がついたら年が明けていました。 年々一年の境界が希薄になって行くような気がします。歳を重ねて行くというのはこういう事なのか、それとも固有の問題なのか、よくわかりません。 デジタルの…

村松画廊 終宴 

昨日京橋の村松画廊に行きました。会場には李禹煥、菊畑茂久馬、堂本尚郎、斎藤義重、篠原有司男ら、戦後の日本のコンテンポラリーアートをになって来た作家の作品が並んでいました。 終宴と題された展覧会は今月二十五日で終わり、そして画廊もまた終わりま…

 アクセス

今日このサイトのアクセス数が一万回を越えました。そのうち、九千九百回くらいは僕自身だと思っていますが。 「定義されたエレメントの該当するサイバービヘイビアを手動で、、」どーにかすると、、 どーにかなるのだそうです。 「う〜む」 と言うわけで、…

Mail 

前々回に続いてメールの話です。 何年か前から、メールに市場を奪われたという嘆きを聞く事が多くなりました。ついでに近ごろの若者は本を読まなく成ったという話もよく聞きます。 果てしない物語の作者、ミヒャエル エンデが来日した時、同様の事を聞かれて…

Mail

過日、フィンランドに渡った知人からメールが届きました。このサイトを開設した知らせへの返信です。海外とのメールのやりとりはこれまでにもあるけれど、僕の人生の地図に絶えて乗ったことのないフィンランドという国から、というのがなにやら新鮮で、あら…

絵描きというもの

「絵描きが能書きなんて言い始めたら、おしまいだよ」 と大昔、ある批評家に言われました。 言葉にならないから、描いているのでしょう?潔く、観客にまかせなさい。という意味でしょう。 なるほどもっともな事です。一言もありません。でも多くのアーティス…